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2012年10月 2日 (火)

ニッポン昔話 跛行婚(はこうこん) 「不平等婚」

三毛猫さんは在留資格「動物知識・国際業務」のトラ君と

社内恋愛で結婚し、蟻役場へ婚姻届けを提出した。

トラ君は結婚を機に在留資格「日本動物の配偶者等」に在留資格を変更した。

トラ君は、定年後は国に帰って暮らそうと考え、

定年前に国にマイホームを建てた。

預金も国のツバメ銀行へ移した。

定年を迎えたトラ君は三毛猫さんと国へ戻った。

時は流れ、トラ君は帰らぬトラとなった。

ある日、

三毛猫さんに一通の書類が届いた。

「家屋敷を売却するので退去してください」

三毛猫さんは、驚いた。

差出は、トラ君の兄弟だった。

何故?

三毛猫さんは、トラ法務局へ行き、登記簿を見た。

亡トラ君の兄弟に「相続」を原因として所有権が移転していた。

三毛猫さんは、ツバメ銀行へ行った。

預金は亡トラ君の兄弟によって解約されていた。

どうして?

三毛猫さんには、なにがなにやらさっぱりわからない。

トラ君の配偶者である三毛猫さん。

相続権は三毛猫さんのはず・・・・

トラ君の兄弟に相続権などないはず・・・・

なのに、何故?

「理由」を知った三毛猫さんの悲痛な叫び。

そんな馬鹿な!

トラ君は三毛猫さんと結婚し、蟻役場へ婚姻を届け、

三毛猫さんの戸籍に入った。

でも、

トラ君はトラ君の国のトラ役場へ三毛猫さんとの

婚姻を届けなかった。

だ・か・ら

トラ君は、トラ君の国では戸籍上は独身だった。

独身のトラ君が亡くなる。

トラ君の国の民法に従えば、相続人の第一順位は子となるが、

トラ君には子がいない。

第二順位はトラ君の両親となるが両親も亡くなっている。

第三順位の兄弟姉妹が相続人となり、

トラ君の兄弟が相続権を行使したのだった。

家を追い出され、無一文となった三毛猫さんは異国の地で

息を引き取った。

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コメント

いや、軽いタッチですが、
本当に勉強になりました。

国際業務はVISAだけに目をとらわれては
いけないのですね。

国をまたいだ、身分系業務だと肝に銘じます!

くるぶしさん
国際私法ですね

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