にほん昔話 蟻とキリギリス
秋から冬へ季節が移りかわる頃、
キリギリスさんは職を失い、
蓄えも乏しくなった。
キリギリスさんは、
蟻役場へ生活保護を申請した。
蟻さんの言葉
キリギリスさんは、マイホームをお持ちですから。
マイホームを担保に融資します。
キリギリスさんは不安な声で。
お金を借りても返せませんけど・・・・
金利は3%ですが心配ないですよ。
と、蟻さんの説明に、ホッ!としたキリギリスさん。
蟻さんの書類一式に署名捺印したキリギリスさん。
ニヤッ!と薄笑いを浮かべた蟻さん。
春が来て夏が来て、巡り四季も幾年月。
融資も限度額に達した頃、
蟻さんがやって来た。
融資が限度額に達しましたので今後は生活保護とします。
マイホームに暮らしながらの生活保護にキリギリスさんは
蟻役場に手を合わせた。
巡り四季の中、キリギリスさんが亡くなった。
蟻さんがやって来た。
キリギリスさんの奥さんへ、証文通り家から出て行け!
明日、狼解体業者さんがこの家を取り壊します。
蟻役場福祉の融資「不動産担保型」とは?
融資金額は査定価格から建物の取り壊し費用を差し引き
更地とした更地価格の70%。
融資金額を月額(30万円以内)とし金利を差し引いて貸付とし、
融資金額に達した時点から生活保護に切り替える。
キリギリスさんが死亡したら、
建物を解体し土地を売却して融資金額を回収する。
蟻役場は金利と元本を確実に回収してニッコリ笑顔。
高齢のキリギリスさんの奥さんは雪の中で震えていた。
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