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2008年10月14日 (火)

今昔物語 2

今昔物語の時計の針を現代に戻してみましょう。

「高齢者居住法 高齢者住宅諸問題」のテキストより

抜粋します。

なを、

居住法ではなく、高齢者諸問題と書き換えた

方が適切かと思います。

田中さん夫妻のケース。

夫の太郎さんは70歳、

妻の花子さんは68歳。

一人息子の信夫さんは東京で妻と三人の

子供達と暮らしている。

信夫さんは不況の煽りを受けリストラとなり、

派遣社員として不安定な生活に陥っていた。

田中さんは蓄えた預金も底をつき、

日々の生活にも困窮していた。

田中さん夫妻は自営していたが、

経営難の5年間、年金を支払って

いなかったので、

年金受給対象外者となっていた。

田中さんは市へ生活保護の申請を

することにした。

福祉事務所での会話

紋桐担当課長

田中さんは持ち家にお住まいですね。

田中さん

はい。それが・・・・・

紋桐担当課長

生活保護の申請は受け付けますが、

その前に、お住まいの家屋敷を担保に

お金をお貸ししますから、

まず、お金を借りてください。

田中さん

持ち家に住んでいても生活保護は受けられる

と聞きましたが・・・

紋桐担当課長

制度が改正されましてね。

持ち家の方はまず家屋敷

を担保にお金を借りて頂かねばなりません。

田中さん

借り入れを断ったら・・・・

紋桐担当課長

生活保護の申請をされても

不許可になります。

田中さん

わかりました。

紋桐担当課長

田中さんの家屋敷の近隣相場は18万円ですから、

土地45坪として、810万円となります。

田中さん

810万円借りられるのですか!

紋桐担当課長

いえいえ、その70%が限度額ですから、

567万円です。

これは概算ですが、

正確な数字は不動産鑑定士の先生に

鑑定評価して頂いてからとなります。

田中さん

不動産鑑定士の先生への鑑定料金は?

紋桐担当課長

それは心配いりません。

鑑定料金と、そうそう、

担保として、根抵当権の登記をつけさせ

ていただきますが、

その費用合計約40~50万円は、

一時扶助金としてこちらで処理しますから。

田中さん

それで、567万円を借りられるのですね。

紋桐担当課長

 いえいえ、毎月、

一定額を限度額に達するまでお支払いします。

田中さん

一定額?

紋桐担当課長

田中さんご夫妻の場合、

年金等の収入はありませんから、

生活扶助費としては、

金104,190円ですが、

この金額の1.5倍の

金156,285円となります。

田中さん

すると、約3年・・・

紋桐担当課長

そうですね

田中さん

3年後に返済ですか?

紋桐担当課長

返済は、

田中さんが亡くなられるまで

返済の必要はありません。

田中さん

私が死んだら・・・

紋桐担当課長

奥様か相続人の信夫様に一括返済して頂きます。

返済頂けない場合は、

抵当権の実行となり、競売となります。

田中さんは借り入れをすることにした。

評価額は、648万円(相場価格の80%であった)

で、借り入れ限度額は453万6千円となった。

毎月の受給額は金156,285円で、

2年4ケ月となった。

その後、

8年経過して、田中さんは亡くなった。

初七日の後、

紋桐担当課長が花子さんを訪れた。

紋桐担当課長

ご用立てさせて頂いたお金と金利の合計が

金5,107,680円となります。

一括返済をお願いいたします。

花子さん

そんな・・・大金とても・・・

紋桐担当課長

では、

奥様は、家屋敷を売却して頂きます。

花子さん

行くあてもありません・・・・

紋桐担当課長

それでは、生活保護の申請をしてください。

花子さん

この家に住めないのですか・・

紋桐担当課長

売却までは住めますが、売却後はダメですね。

花子さんは宅建不動産に売却を依頼した。

土地価格 18万*45坪=810万円。

築40年の建物価格はゼロと評価された。 

実際の売買価格は金770万円であったが、

建物解体が条件に付された結果、

解体費用210万円を差引いて、

手取り価格は金560万円であった。

福祉協議会へ、

金5,107,680円を返済し、

宅建不動産へ

仲介料305,550円と

司法書士へ根抵当権抹消費用を支払い、

約15万円が花子さんの手元に残った。

社会福祉協議会は花子さんからの

生活保護申請を、預金残高約15万円

を理由として不許可処分とした。

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