公営住宅から暴力団排除に関する条例改正について各行政機関において意見公募が
実施されている。
その結果を見ると、賛成11件 反対1件 その他1件であった。
私は反対であったが、私が提出した反対意見を載せます。
原文
公営住宅から暴力団排除は国交省よりの平成19年6月1日国住備第14号の通知に基づくものであるが、法整備でなく、地方公共団体の条例に委任されたものである。
法整備でなく、条例に委任された背景には、憲法問題としての人権問題が内在している。
国は通知を以って地方公共団体を指導し、公共団体は条例を以って通知に従う。
万が一、人権問題に波及しても、国としての責任を回避したい思惑が見え隠れしている。
通知には法的拘束力がない。
しかし、通知を受けて、警察庁丁暴発第56号(平成19年6月1日)が通知された。
これは、警察庁丁暴暴一発第14号(平成12月9月14日)の枠を地方公共団体に特定して外すものである。
国交省は通知の正当性において、
1.公営住宅の入居者の生活の安全と平穏の確保
2.公営住宅は低所得者に対する低廉な家賃で供給する住宅
と不可解な定義をしている。
なぜならば、国交省の国住備第70号(平成19年12月13日)によれば、
(公共賃貸住宅における暴力団排除について)の通知より明らかである。
つまり、低所得者ばかりでなく、国の補助等を受けて地方公共団体が整備(建築・買い取り・借り上げ)した住宅は全て対象となっている。
このことより、公共団体により管理運営される賃貸借建物からは暴力団を排除する。
(暴力団は民間の賃貸借建物で受け入れろ)の図式に他ならない。
第56号は、事業主が公共団体ならば、暴力団員である事を告知するが、民間が事業主ならば、第14号に基づき告知しない。
(入居者の安全と平穏)ならば、公も民も同様のはず。
国交省による平成19年6月1日の事務連絡によれば、
1.公営住宅の入居資格において暴力団を一律に排除することが適当か否かについて検討されたい。
2.明け渡し請求においても、最高裁判例昭和59年12月13日(行政と私法一公営住宅の利用関係)を引用しながら、(暴力団であることが判明したとき)を理由として明け渡し請求の理由とするのでなく、不正入居・家賃3月以上滞納・住宅の故意過失による棄損・不法・不当行為などを確認するように述べている。
トラブル発生を想定した場合は表現がトーンダウンしているのである。
なぜならば、暴力団である事を以って理由とすれば、人権問題となりかねないからである。
又、
上記の事由は民間の賃貸借契約においても解約事由である。(暴力団でなくとも解約事由である。)
公だから、暴力団である事を告知し入居を阻止するが、民ならば告知しない。
民間とて、かかる暴力団の入居を望みはしない。拒否したい。しかし、暴力団員であるか否かを知るすべがない。民間においては第14号によって開示請求しても不開示となる。
(公営住宅だから)(公共賃貸借住宅だから)を理由として暴力団排除には反対である。
公的にも民的にも、問題は同じであり、民のみに負担を一方的に強いるものである。
平成19年4月20日の、都営住宅立てこもり発砲事件が契機となってることは承知しているが、民のみにハイリスクを強要する通知であり条例となる事には反対である。
けして、暴力団を認容した反対論でない。
条例は法であり、法を以って、公の権益のみを守り、民にハイリスクを押し付けるものである故に反対するのである。
民間の賃貸借契約においても、暴力団の入居拒否は条項にある。
しかし、現実には、警察へ暴力団であるか否かを問うても、第14号の壁に押し返される。
(人権に関する問題・個人情報保護法として)
公も民も、法の下では平等であるべきと思う。
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