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2008年1月14日 (月)

意見公募

平成19年4月20日の(都営住宅立てこもり発砲事件)から、国交省より各公共団体に

(公営住宅からの暴力団排除)の通知が出された。

これを受けて、各公共団体は条例改正案の意見公募を実施している。

私は、反対意見を提出した。

国交省の通知によれば、(公営住宅の安全と平穏の確保)なる定義がなされている。

この文言だけで視点を捉えれば、反対意見を出す事には抵抗がある。

しかし、それでも私は条例案に反対です。

条例は公営住宅だけでなく、公共団体が管理運営する全ての住宅において適用される。

何故、私が反対するのか?

公の権益だけを守り、ハイリスクを民に一方的に押し付ける条例だからである。

入居申込者が暴力団であるか否か公共団体から警察へ問い合わせすれば警察告より知される。

つまり、入居申し込みの段階で入居拒否できるわけである。

しかし、民間が警察へ問い合わせしても、警察では、(人権に関する事)と押し返される。

又、既入居者でも、問い合わせれば告知されるから明渡し事由となる。

公は(公営住宅の安全と平穏の確保)を条例で確保するから、ハイリスクは民の

自己責任で運営しなさい。の図式である。

条例も法であり、法を以って公益のみを確保し、民に一方的にハイリスクを押し付ける

法には反対である。

参考資料

平成19年6月1日 国交省通知(公営住宅における暴力団排除について)

平成19年12月13日 国交省 (公共賃貸住宅における暴力団排除について)

平成19年6月1日 国交省 事務連絡 各都道府県公営住宅管理担当者 殿

平成19年6月1日 警察庁丁暴発第56号

平成12年9月14日 警察庁丙暴一発第14号

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コメント

>入居申込者が暴力団であるか否か公共団体から警察へ問い合わせすれば警察告より知される。
>しかし、民間が警察へ問い合わせしても、警察では、(人権に関する事)と押し返される。

ここのところのバランス感覚の欠落が、今回コスモさんが反対される理由なのですね。その懸念は、だいたい理解できます。

ただ、意見公募の段階では役所はもう立法通りに動き始めていますし、意見を参考に内容が変更される可能性は低いので、コスモさん懸念の内容について、行政書士として何かできないか、という提案をしたいと思います。

立法とは離れますが、将来的に、民間が「隣の人は暴力団ではないのか」(つまり入居許可は違法でないのか)と問い合わせる際に、行政書士が架け橋となれるような仕組みを作り上げるというのはどうでしょう。

墓地の許可でも、一般人が「あの寺はぼったくっているが、許可はきちんと出ているんですか」と問い合わせても何も教えてもらえませんが、行政書士が間に立つことで、ある程度情報開示してもらえたことがあります。

聴聞代理権付与を足がかりに、すでに与えられた許認可が、申請当時は基準に添っていてもその後守られていないような場合に、行政書士がそれを監視してゆく役割を担えるということにまで持ってゆく。これが、これからの課題ではないかと考えます。

意見公募はセレモニー。
それが現実ですね。
私が反対する理由として、もうひとつ、
条例も法であり、公の公による運営管理住宅は法を以って、(安全と平穏を確保)するが、民はハイリスクをおいなさい。
これ故に反対するのです。


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