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2007年11月10日 (土)

原状回復

原状回復

口語辞書的に言えば、はじめのままのありさまに戻す。となる。

この(口語辞書)的な認識からしばしば敷金返還でのトラブル原因の一つとなっている。

この認識のズレの較差が大きければ大きいほどトラブルは拡大する。

賃貸借での、原状回復とは、退去時において、賃借人が賃借人の費用で動産物等を搬

出することである。また、賃借人が、例えば、和室を洋間に変更した場合は、和室に戻し

ておくことである。

そんな馬鹿な!

原状回復は、口語辞書の通り、はじめのままのありさまに戻す。事だと反論される方も

いるでしょう。

そこで、単純明快な例えで。

新築物件を想定してみてください。

おや?と思われたでしょ。

賃貸借を新築時点として、5年後に明け渡したとします。

口語辞書的な解釈をすれば原状回復は新築状態にして戻す。事となる。

全ての物体は製造完成した時点から劣化の運命を辿る。

経年劣化である。

原状回復を口語辞書的に解釈するから、賃貸借物件は経年劣化しない?などと、妙な錯覚に陥る。

では、何故、原状回復での修繕費となるのか?

賃借人の故意過失による損傷は賃借人において修繕する。

あくまでも、修繕費であって、原状回復費用ではない。

原状回復イコール修繕費ではない。

原状回復すなわち修繕費と認識の錯覚が起因してる。

畳に家具の跡が付いてるから、退去時には畳を替えろ。

クロスが日焼けしたり、家具の跡が残り斑になったから替えろ。

玄関のノブが汚れたから取り替えろ。

冷蔵庫の裏に黒い染みが残ったからクロスを替えろ。

それは冷蔵庫の性能上に起因するもの。と反論すれば、

それなら、板等を設置してクロスに付着しない工夫をすべきだ。と反論。

板を設置した部分と設置してない部分ではクロスの変色度が違うからクロスを張り替えろ。

延々と続く不毛の論戦である。

口語的解釈の認識があるからである。

原状回復と修繕費はイコールではない。

ここがポイントであり、このポイントを押さえた上で、賃貸人も賃借人も思考すべきである。

又、

賃借人は善良なる管理者としての注意義務があることを認識すべきである。

賃貸人も賃借人も対等なのであって、いづれが有利不利ではけしてない。

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コメント

人が住んでいない建物は、風も通らずまたたくうちに劣化する。住んでもらってナンボである、ということがもっと周知されなければならないですね。

その通りです。
賃貸人においても、賃貸借物件を賃借人に管理してもらってる
という意識が働けば、ギクシャク度も少しは減ると思う。

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